通信制教員ユニオン
通信制教員ユニオン(総合サポートユニオン通信制教員支部)は、通信制高校、通信制中学、通信制大学で働く教職員及びその他の労働者が集まって、労働環境の改善に取り組む業種別ユニオンです。
近年、通信制高校の数は目覚ましい増加の一途をたどっています。とりわけ私立通信制高校の増加数は目覚ましく、2000年度の44校から2022年度には195校と急速に増えています。
現在は公立、私立合わせて、約12人に1人の高校生が通信制高校に在籍しています。この近年の通信制高校の増加と相まって様々な労働問題が現れ、これまで私学教員ユニオン(総合サポートユニオン私学教員支部)では、N高、科学技術学園、つくば開成と、労働環境改善を求め、話し合いをしてきました。
学校側との話し合いを重ねるうち、どの通信制高校にも現れる共通の問題(担任一人当たり生徒数が多すぎる、非常勤講師や学生アルバイトに担任を持たせようとする、レポートやスクーリング等の通信制学校特有の教育活動が蔑ろにされている、それらに伴う労働問題)を私たちは認識するようになりました。
これら通信制高校共通の問題に対処するために、通信制高校に特化した日本初の通信制教員のユニオンの結成が必要であると考えました。
また、近年の通信制中学や通信制大学の増加に伴い、それら教育機関の労働問題にも対処するために、通信制高校だけでなく通信制中学、通信制大学の労働者も集まるユニオンとして通信制教員ユニオンという名前にすることにしました。
通信制教員ユニオンの目的としては、通信制学校の仕組みをよく知っている組合員同士が協力し、個々の通信制学校の労働問題、教育の質の低下の問題を解決することにあります。さらには、通信制学校業界全体の問題の改善をめざし、どの通信制学校にも適用される「共通規則」(例えば、業界全体の通信制教員の賃金の上昇や、担任一人あたり生徒数のより適切な上限の制定)の制定を要求し、それを実現していくことを目指します。
これからも増えていくであろう、通信制の学校の諸問題の解決を目指していくことは、教育業界全体にとって非常に意義のあることであると思われます。
通信制教員ユニオンでは、通信制教育機関に共通する問題に焦点を当て、以下のような活動を行っています。
1. 労働相談
電話やメール、LINEで労働相談を受け付け、アドバイスを行います。
2. 団体交渉
一緒に改善に取り組む場合には、労働組合への加入手続きを取ります。組合と学校との間で「団体交渉」(話し合い)を行います。
3. 団体行動
団体交渉の経過や学校側の対応によっては「団体行動権」を行使します。ストライキやSNS等で宣伝活動を行い、多くの人の注目を集めて、問題解決を図ります。もちろん、社会発信等は任意です。